小畑健:作画 / 大場つぐみ:原作『バクマン。(1)』

DEATH NOTE』で一世を風靡した小畑健大場つぐみコンビの最新作は、漫画家ユニットを目指す2人の少年を主人公にした、青春漫画執筆活劇。雑誌掲載分は斜め読み/スルーで済ませていたんだけど、改めて単行本で読み直すと、すんげぇ面白いですわこれ。
ちと話がスムーズに進み過ぎなところとか、主人公コンビに才能があり過ぎなところとか(一応ライバルらしきキャラはいる)、細かいひっかかりはあるにはあるんだけど、若者達が夢に向かってしゃにむに頑張る姿というのは、それだけで見ていて気持ちの良いものです。そして、そんな若者達の夢を後押しし、見守る大人達の存在も、やや類型的ではあるものの悪くない。
ジャンプ漫画らしい王道展開の面白さをキープしつつ、掲載誌の編集方針を含む現代漫画業界事情への批評や、作者コンビ自身への自己言及と思われる描写を盛り込んだ、21世紀版「まんが道」になっているのが、大場つぐみの鵺のようなポジション(笑)を考えると、いろいろと興味深い。のか?
あと、個人的には、ヒロインのキャラクターや、作中における男女交際のあり方、主人公の乙女思考等、大場の女性観やロマンスに対する幻想がだだ漏れになっているところもなかなか楽しめた。多分、枝葉の部分だとは思うんだけど、なにかの伏線や仕掛けにつながる描写だったりするのかね。私気になります。
なにはともあれ、2巻を読むのが楽しみ。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)