2009年に読んだBL漫画で印象に残ったもの

去年読んだBLで最もインパクトの強かった作家&作品×2。作者の自由っぷりがマヂで半端ないです。絵も話もBLと言われて思い浮かべるイメージから余裕で斜め45度上の方へ逸脱しておりますが、同時にしっかり乙女な部分もあるという。実際に作品を描いている作者もどうかしていますが、一番どうかしているのはこの作者を商業デビューさせた茜新社の編集員でしょう。(←褒めている)
BLとブンガク的なるものの異形の私生児にして、ある種の福音。あまり万人向けの作風とは言えませんが、個人的には大いにアリです! BLに興味がなくても、風変わりな漫画が好きな人は読んでみればいいと思うよ。

茜新地花屋散華 (EDGE COMIX)

茜新地花屋散華 (EDGE COMIX)

甘えんじゃねえよ (EDGE COMIX)

甘えんじゃねえよ (EDGE COMIX)

  • 高田ゆうき『おんぶにだっこにかたぐるま。』『なずな先生と神田くん』

同人で追っていた作家の、同時刊行された初商業単行本×2。この人の目の付け所とセンスの良さは積極的に見習いたいと思います。絵柄は可愛いし、BL度もそれほど高くないので男性にもおすすめしやすいです。

  • もろづみすみとも『ねがったりかなったり』

可愛さと逞しさが絶妙な匙加減で混ざりあった独特の絵柄が大好きです。BLとしても良いけど、ワカモノの成長物語としても綺麗にまとまっています。あとチンコ太い。

ねがったりかなったり (マーブルコミックス)

ねがったりかなったり (マーブルコミックス)

  • 腰乃『幸せになってみませんか?』

表題シリーズは攻の人物像にやや難ありですが、腰乃せんせいの描くリーマンとおやじが萌え過ぎて生きるのが辛い俺にとっては、些細なことだと言い切ることが出来ますね。何はともあれ、リーマンと眼鏡とオヤジ受はちょう正義!

幸せになってみませんか? (MARBLE COMICS)

幸せになってみませんか? (MARBLE COMICS)

『惑溺趣味』は安定高の好短篇集。表題シリーズも良いのだけど、不安感に煽られながら読み進めるうちにホラーに片足を突っ込む「ベス」と、青さと苦さが迸る「光る道」の、ストレンジでビターな味わいが大変素晴らしい。甘いだけがBLじゃない! 『坂の上の魔法使い』はBL度こそ低いものの、ウェルメイドなファンタジー漫画として読ませてくれます。

惑溺趣味 (バンブー・コミックス REIJIN Selection)

惑溺趣味 (バンブー・コミックス REIJIN Selection)

坂の上の魔法使い (ミリオンコミックス 84 Hertz Series 72)

坂の上の魔法使い (ミリオンコミックス 84 Hertz Series 72)

  • 松本ミーコハウス『テレビくんの気持ち』

総眼鏡受短篇集というだけど評価せざるを得ない。もちろんそれだけではないんだけど、総眼鏡受短篇集というだけど評価せざるを得ない。大事なことなので(ry

テレビくんの気持ち (バーズコミックス ルチルコレクション)

テレビくんの気持ち (バーズコミックス ルチルコレクション)

  • カシオ『スイッチON!』

去年読んだBLで装丁が一番好みだった作品。カバー裏のおまけページも楽しい。意図的に描線やデッサンの安定感を排したような独特のヘタウマ絵と、おバカで可愛いオトコノコたち(一部例外あり)が大変好みでありました。

スイッチON! (マーブルコミックス)

スイッチON! (マーブルコミックス)

  • イシノアヤ『椿びより』『恋などとうに成就してた』『夢みた週末』

『椿びより』の人畜無害過ぎる穏やかな日常描写は、荒んだ現代人の心を優しく癒してくれることでしょう。BL度低め+可愛い幼女分の投下でその筋の人にもおすすめできますよ? 『恋などとうに成就してた』『夢みた週末』もベネ。

椿びより (EDGE COMIX)

椿びより (EDGE COMIX)

恋などとうに成就してた (バーズコミックス ルチルコレクション)

恋などとうに成就してた (バーズコミックス ルチルコレクション)

夢みた週末 (EDGE COMIX)

夢みた週末 (EDGE COMIX)

『愛の深さは膝くらい』の続編にして完結編。昴可愛いよ昴。思春期ツンデレ男子はちょう正義!

愛くらいちゃんと (花音コミックス)

愛くらいちゃんと (花音コミックス)

BLに一般向けにと去年も大活躍だったヤマシタせんせい。3冊出たBL漫画の中で、一番BL度が低い(と思われる)この作品が、一番自分のツボでありました。やはりこの人はヤクザと女子を描いてなんぼのもんでしょう。BL/一般と無理に境界線を引かず、これぐらいのバランスで描かれたちょっとジャンル越境寄りの作品を、もっと読んでみたい気がします。

MO’SOME STING (ゼロコミックス)

MO’SOME STING (ゼロコミックス)