北別府ニカ『かなしいいずみ』

芳文社のBL漫画誌3誌に渡って掲載された表題シリーズと、読みきり3作+表題の描き下ろしスピンオフを収録した短編集。登場するカップリングは、1:超泣き虫のドヘタレ×地味眼鏡の幼馴染 2:後輩×先輩(衝撃の28歳セーラー服) 3:コンビニの後輩店員×ON/OFF眼鏡のコンビニ先輩店員 4:リーマン×劇団員 5:生徒×眼鏡教師 となっており、年下攻め/年上受け偏重傾向。さらに眼鏡成分の含有量多め、女装受けアリの、フェチ満載ニカてんてーいつものアレ、といえば伝わる人間には伝わる。
読み切りと描き下ろしは手堅い出来で普通に楽しむことができたのだが、表題シリーズがちょっとどころかかなり自分の好みから外れた内容で、読了後ビミョーな気分になった。
ヘタレやワンコやオトメな男子は大好物のはずなんだけど、これは少しアレンジのかけ方がキツ過ぎるというか、正直、ただの頭アカン子にしか見えなかった。一部のエロゲーラノベ等に登場する白痴系ヒロインが好きになれないのと同じ理由で好きになれない。なんか、こーゆー子を見ていると、「可愛い」とか「萌え」以前にカワイソウになってくるんですよね。ちゃんと病院で、然るべき治療を受けさせてあげなさいと。
まぁ、道満晴明G=ヒコロウ堀骨砕三等が描く身体的フリークスの女の子が大好きな人間のくせに、精神的フリークスの男の子(女の子)が駄目というのも、それはそれでアンフェアな気がしなくもないので、あまりキツいことをいうのはナシにしておきましょうか。多分、好きな人は好きなんだろうしね。
それでも、個人的趣味の話をさせてもらえるのならば、ニカてんてーは、高校生ぐらいのワカモノを描いた作品も悪くないんだけど、どちらかといえば、少し年長のキャラを描いた作品の方が好みですかね。「泣かないで大久保くん」とか「すばらしき日々」とかあのへんのヤツ。歳相応の落ち着きと、オトメ男子っぷりのバランスがいいんだ。

かなしいいずみ (花音コミックス)

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