グレッグ・イーガン / 山岸真:訳『TAP』

皆大好きイーガンさんの日本オリジナル第四短編集。全編本邦初訳だそうで。力入ってますね。
過去作品に比べると若干もの足りない気もするけど、悪くはなかったよ。イーガン的なるものと奇想コレクション的なるもののバランスを取った結果の薄さなら、特に文句はない。集中のツートップは「銀炎」と「TAP」で異存なしだけど、「悪魔の移住」「散骨」「自警団」「森の奥」なんかも嫌いじゃない。個人的には、この人のホラーをもうちょっと読んでみたくなった。どんだけ需要があるかは知らないけど。
あとがきにも書いてあるけど、過去のイーガン作品と比べるとハードSF度控えめ*1なので、入門編としておすすめできる、かも。少なくともいきなり『順列都市』(塵理論なんか分かるかよ!)や『ディアスポラ』読むよりはましだと思う。あと、他のイーガン作品でリタイアしたことのある人はこれ読んでリベンジを果たせばいいと思った。

TAP (奇想コレクション)

TAP (奇想コレクション)

*1:まぁ、あくまでイーガン作品としてはなんだけど。それほどSFに慣れ親しんでない人にとっては充分ハードかもしれん